死神

悪しきを絶ち、新たな未来へ向かいましょう

ものごと始まりがあれば終わりがあります。その終わりは新たなる始まりでもあります。今よりもより良い人生のために、今の生活を終わらせるのです。

しかし、あくまでも【死神】です。ものごとキッチリと終了させない限り、次の始まりはやって来ません。今までの反省がないまま次のスタートをしても、結局は同じことの繰り返しです。自分のどこを捨てるのか、何を継続するのかを徹底的に熟慮する必要があります。

【死神】は何もせずに生まれ変わったり、自然に新しいスタートが来たりすることを意味しているわけではありません。自分を劇的に変えない限り新しいスタートはやってこないのです。

マルセイユ版ではタイトルがありません(]Vの表記だけです)。

絵の解説

白馬(!)に乗った死神が、四人に刑を処しながら右に進んでいきます。

青い衣装の成人は王冠にこだわったので、甦ることを許されません。
黄色い衣装の司祭は常に祈りを捧げていたので、甦ることを許されます。
子供は純粋さの象徴なので、悪さをしていても甦ることが許されます。
司祭と子供はこれから船に乗り、新しい世界へと旅立ちます。

しかし成人も司祭もあなたに同居している悪と善です。
無意味なものを捨て去る覚悟、人のために尽くす気持ち、純粋な気持ちを持たなければ甦ることはできません。

遠くの門の奥から太陽が昇っています。
この門は次のステージのスタートラインです。
そこにたどり着くために、あなたは船に乗り、今の場面から立ち去ることが必要です。
しかし船はすぐそこまで来てしまっています。
大切なものだけを手にし、急いで船に乗らなければなりません。


【死神】を乗せた白馬は未来へと進んでいます。
この構図は【聖杯ナイト】にそっくりです。
まるで恋愛の始まりと終わりを象徴しているようです。
始まりが白馬のような純粋な気持ちなら、終わる時もまた純粋な気持ちです。
自分の気持ちがドロドロしている時は純粋になれません。
本当に素直な心に接することができた時、終了することを自然に受け止めることができるのです。

正位置 : 悪しきを完全に捨てる覚悟が必要です

今継続していることを終了させるべきです。
完全に終了させないと次のスタートが切れません。中途半端ではチャンスを逃します。
自分の気持ちに素直に従いましょう。終了することはもう自然なことです。
私利私欲に走っていたら生まれ変わることはできません。
ものごと簡単に終われるものではありません。終わるためにはその覚悟が必要です。

逆位置 : 自分の中の悪を見極め、新しいスタートに向かいましょう

新たなスタートのために自分の中の善悪を見極め、悪を捨て去りましょう。
新たなスタートが用意されています。一刻も早く現状を捨て去らねばなりません。
ダメになったものにいつまでもしがみついていてはなりません。